ワクワクを教室に!
アムジェン財団は東京大学と連携し、高校生向けの実験教室を開催しています。「アムジェン・バイオテック・エクスペリエンス(Amgen Biotech Experience、ABE)」と称されるこのプロジェクトは、学校教育と実社会の「科学」を繋いで、科学の魅力を生徒たちに伝えることを目的としています。
本プログラムの特徴は、実施プロセスにあります。まず、アムジェン財団が連携する大学・研究機関の研究者が高校教員向けに、科学的背景と実験の手順を解説しながらデモンストレーションを行います。その後、教員が生徒たちに対し実験を指導します。実験に必要な教材や研究機器は、アムジェン財団が連携する大学・研究機関を通じて無償で提供されます。
1989年に米国カリフォルニア州で始まったABEは、現在16カ国で展開され、2024年9月にはABE参加生徒が全世界で100万人に達しました。日本では2020 年より東京大学と提携して実施され、これまでに27校、531名の生徒が参加しています。
~ABEを受けた生徒と教師の声~
「研究者にならなければ体験できないと思っていた遺伝子組換え実験を、こんなに身近に体験できたことに驚きました」と山形県の高校に通う璃音さんはABEに参加した感想をこう述べました。また、「実験前にグループで結果を予想した際、一人一人の意見が異なり調整が大変だったが、違う意見を取り入れていくことでレベルが上がっていくことを肌で感じた」と、チームワークの大切さに気付いたとも話します。
璃音さんのクラスメート、月菜さんにおいては「将来は助産師などの医療職を目指していますが、遺伝子組換え実験を体験したことで、研究職への関心も高まりました」と将来の選択肢が広がるきっかけにもなっています。「タンパク質の精製過程がとても印象的で、この技術を他にも使えることがないかなと思いました。ABEで実施したことは将来にも応用できる技術だと感じました」と話します。
実験を指導した教員の熊坂先生は「高校の教科書にも遺伝子組換えについて記載はありますが、実験を行うことは容易ではなく、実施している学校も多くはありません。大学入試問題で出題される分野で、実際の実験を通して理解を深めることで、知識が具体的な経験として生徒の中に残るのです」と話します。加えてABEがもたらす魅力は他にもあると話します。「ABE実施にあたり生徒たちは日頃接しない実験機器に触れるだけでなく、実験に参加してくださる東京大学のサポートチームの方の話を聞く機会もあり、目をキラキラさせているのが印象的です」
アムジェン財団は、次世代の科学者を育成するための科学教育への取り組みを、これから推進してまいります。
アムジェン・バイオテック・エクスペリエンスの詳細はこちらをご覧ください。
日本語 https://amgenbiotechexperience.net/jp/ja (東京大学のウェブサイト)
英語 https://www.amgenbiotechexperience.com/ (アムジェン財団のウェブサイト)