アムジェンは、バイオ医薬品開発のパイオニアです。創業以来、アムジェンの治療薬は世界中で数百万人の患者さんに届けられています。アムジェンの科学者は、ファースト・イン・クラスの治療薬の開発につながる重要な生物学的プロセスを解明し、治療のあり方そのものを変える新しいプラットフォームも構築しています。
私たちは、循環器疾患、がん、骨疾患、炎症・免疫性疾患、神経疾患、希少疾患を始めとするアンメット・メディカル・ニーズが高い領域に重点を置いています。アムジェンの医薬品は、アンメット・メディカル・ニーズを満たす製品、つまり治療の選択肢が限られた疾患と向き合う患者さんや、既存治療で十分な効果が得られない患者さんを主な対象としています。日本では、以下の疾患領域に重点を置いています。
脳血管疾患と心疾患を合わせた循環器病は、悪性新生物(がん)に次ぐ死亡原因(23.2%)となっています1。高齢者では悪性新生物を上回り死因の1位です2。また循環器病は、介護が必要となった原因(21.2%)として最多です3。さらに傷病分類別診療医療費のうち、循環器病が占める割合は、約6兆円と最多です4。このような背景から循環器病対策は日本の喫緊の課題であり、「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」が2019年12月に施行されました。現在、2020年10月に閣議決定された「循環器病対策推進基本計画」をもとに、各都道府県での循環器病対策推進計画の策定と実行が進められています。
LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれ、動脈硬化を引き起こす主要な要因の一つです。症状がなくても、放置すると全身の血管が狭くなり、急性冠症候群(ACS)を引き起こす原因となります。ACSには急性心筋梗塞、不安定狭心症、虚血による心臓突然死が含まれます。
LDL-C高値は、血中コレステロールや脂質が異常な状態であることを示しています5,6。FHは、LDL-C高値を若年時に引き起こす遺伝性疾患です7。米国では100万人が(ヘテロ接合性およびホモ接合性)FHであると推定されていますが、診断されているのは1%にも満たないほどです8,9。家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体(HeFH)はFHの中で患者数が多いタイプであり、全世界で約250人に1人の割合で認められます10。FH患者のFH遺伝子変異が自身の子供に遺伝する確率は50%です9。
アムジェンは、血液がんおよび固形がんに対する革新的製品のポートフォリオを有しています。
急性リンパ性白血病(ALL:Acute Lymphoblastic Leukemia)は希少かつ急速に進行する血液と骨髄のがんです11。 小児では最も多く認められるがんであり、国内でALLと新たに診断される人数は年間で10万人あたり1人程度であると言われています12,13。
肺がんは世界で2番目に診断数の多いがんであり、世界および日本におけるがんの部位別死亡原因の第一位です14,15。 小細胞肺がん(SCLC)は肺がん全体の約15%を占め、世界で毎年33万人超が新規にSCLCと診断されていると推計されています14,16-18。SCLCは最も悪性度が高く深刻な固形がんの一つであり、増殖速度が非常に早く、早期に転移しやすい特徴を有しています18。SCLCの長期予後は不良であり、全てのステージにおける5年相対生存率は10%未満であると報告されています19。
非小細胞肺がん(NSCLC)の全生存率は改善しつつありますが、疾患が進行している患者さんでは依然として不良であり、転移が認められる患者さんの5年生存率はわずか8%です20。NSCLCにおいて高い頻度で認められるがんドライバー遺伝子変異の一つがKRAS G12C変異です21。米国ではNSCLCの約13%がKRAS G12C変異を有していると報告されています22。KRAS G12C変異を有するNSCLC患者さんのうち、一次治療が奏効しなかった又は奏効しなくなった患者さんの治療選択肢は限られており、高いアンメット・メディカル・ニーズが存在します。承認されている他の治療法による予後は良好なものではなく、KRAS G12C変異を有するNSCLC患者さんの二次治療後の無増悪生存期間の中央値は約4ヵ月であると報告されています23。
アムジェンは、20年以上にわたり骨粗しょう症の研究を行っている、骨の健康に関するリーディングカンパニーです。骨折のリスクの高い患者さんが、そのリスクを低減できるよう、骨粗しょう症の克服に取り組んでいます。
世界的に、50歳以上の女性3人に1人、男性5人に1人が骨粗鬆症による脆弱性骨折を起こすとされており、高齢化に伴いこの数はさらに増加する見込みです24。また、骨粗鬆症による椎体骨折や大腿骨近位部骨折は、日々の活動に著しく影響し、患者さんのQOLを低下させ、救急病棟を含む通院を増やし、医療費の増加につながります25。大腿骨近位部骨折患者さんのその後の生存率は、一般人口より低い推移を示します26。こうした状況にもかかわらず、日本の骨粗鬆症患者さんのうち治療を受けている割合は、わずか20%程度(推定)に過ぎません27。また、脆弱性骨折は介護や寝たきりの要因でもあります。官公庁統計を基にした試算では、骨折・転倒を要因とする介護サービス負担は2018年には1.9-2.8兆円、その中でも家族による介護負担は0.8―1.7兆円と、最も大きな要素となっていることが報告されています28。また、骨粗鬆症で最も頻度の高い椎体骨折や大腿骨近位部骨折に起因して要介護となった患者の介護者の転職・離職率が有意に高く、医療費の負担も大きいことも報告されています28。
アムジェンは現在、慢性炎症性疾患の治療に向けた革新的な創薬に取り組んでいます。そのうちのいくつかは自己免疫疾患に対するものであり、世界中の何百万もの患者さんの暮らしに影響を及ぼします。
乾癬は、全身のさまざまな部位で炎症をきたす全身性の疾患です。目に見える症状として、皮膚細胞が急速に蓄積し、通常、赤く変色した、うろこ状のかゆみを伴う斑が生じます29。乾癬患者数は全世界で約1億2500万人(欧州で約1400万人、米国で800万人超)です30。乾癬にはさまざまな種類があり、症状の現れ方が異なります。乾癬患者さん全体の約80%が尋常性乾癬に罹患しています31,32。そのほかに、乾癬性関節炎やベーチェット病などがあります。
ベーチェット病は、口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍(以下「口腔潰瘍」)、皮膚症状、眼症状、外陰部潰瘍を主症状とし、急性炎症性発作を繰り返すことを特徴とする、慢性・再発性の全身性炎症性疾患です33,34。日本におけるベーチェット病の患者数は約2万人と推定されており、「難病の患者に対する医療等に関する法律」に基づく指定難病の一つです35。ベーチェット病の臨床症状は患者ごとに多様であり、上述の4つの主症状に加えて、5つの副症状である関節炎、副睾丸炎、消化管病変、血管病変、中枢神経病変が様々に組み合わさって発症します36。
片頭痛は神経疾患であり37、中等度から重度の頭部痛の反復性発作を伴います。通常は拍動性で、しばしば片側性であり、悪心、嘔吐、光、音、匂いへの過敏症を伴います38。片頭痛は個人的な苦痛、障害、生活の質の低下、社会的・経済的コストと関連しています39。 個人の日常業務遂行能力を妨げるような深刻な影響を及ぼします。世界保健機関(WHO)の報告によると、片頭痛は男女ともに障害生存年数の原因疾患トップ2に数えられ40、未だ十分な理解と治療が施されていない可能性があります39,40。
甲状腺眼症は、深刻で、進行性かつ潜在的に視力低下の恐れがある希少な自己免疫疾患です41。その多くはバセドウ病に伴ってみられますが、後眼窩の細胞でインスリン様成長因子-1受容体(IGF-1R)を介したシグナル複合体を活性化する自己抗体によって引き起こされる個別の疾患です42,43。これらが一連の症状につながり、失明など長期にわたる不可逆な損傷を引き起こす可能性があります44,45。甲状腺眼症の初期症状には、ドライアイ、異物感、充血、腫れ、過度の涙、眼瞼後退、眼球突出、目の奥の圧迫感や眼痛、複視などがあります。