8月10日は「健康ハートの日」です。
810が「ハート」と読めることから、1985年に日本心臓財団が8月10日を「健康ハートの日」とすることを提唱しました。暑い夏の間に、自身の心臓や血管の健康を考え、その先の冬場に心臓病や脳卒中の発症を予防できるよう心がける日となっています。
アムジェンでも、急性心筋梗塞、不安定狭心症などを含むACS(急性冠症候群)の再発予防のためのプロジェクトを推進しています。その一つが、本年6月に発表した、国立大学法人鹿児島大学とともにACSの再発予防と循環器疾患対策を行う「ACSヘルスケアエコシステム*形成プロジェクト」です。
※ヘルスケアエコシステム:病院を中核とし、医療に関連する薬や情報、サービスなどが有機的につながり、医療の質を高め、調和のとれた継続性のある医療インフラを指す表現。
このプロジェクトでは、鹿児島大学心臓血管・高血圧内科学分野が主体となって運営するACSの登録研究をベースに、鹿児島県内の急性心筋梗塞患者の治療および管理の状況を収集して医療の質を把握。そして、そこから見える課題を特定し、改善のための啓発活動や、医療従事者や患者を対象とした「鹿児島style」と呼ばれる教育プログラムの開発につなげます。こうした活動は、ACSの二次予防だけでなく、同県内の医療の質の向上にも寄与することを目的としています。
鹿児島大学心臓血管・高血圧内科学の大石充教授は「LDLコレステロール値を70mg/dL未満とすること」がACS二次予防においては非常に重要であると強調します。産学連携による循環器病対策の取り組みが日本全国に拡大することを願い、アムジェンでは「健康ハートの日」にあわせて、このプロジェクトの詳細や、両者の連携に至った背景について、鹿児島大学の大石教授とアムジェン株式会社メディカルアフェアーズ本部長のヘレン・リンの対談の動画を公開します。
対談:鹿児島大学×アムジェンのコラボレーション
対談では、2019年に施行された循環器病対策基本法や、大石教授が2024年までに達成を目指すべき目標(前述の「LDLコレステロール値を70mg/dL未満とすること」に加えて、「プライマリーPCI*の施設を充実させること」など)、鹿児島県内での医療連携の現状や、ACSの再発予防の意義についても詳しく語られています。
※プライマリーPCI:特に急性心筋梗塞を発症した患者に対するPCI (経皮的冠動脈インターベンション)の緊急適応。
急性冠動脈症候群(ACS)について
急性冠症候群 (ACS:Acute Coronary
Syndrome)とは、動脈硬化の進展により冠動脈の血管が狭くなったり、詰まったりすることにより、心筋組織に十分な血液が供給されなくなることで引き起こされる症候群のことです。急性心筋梗塞、不安定狭心症、虚血による心臓突然死が含まれます。
再発予防について
再発予防は「二次予防」とも呼ばれています。二次予防は、一般的には疾患の重症化を予防することを指します。心筋梗塞の場合、一度発症して手術や治療で一命を取り留めることができても、約27~40%の患者さんが治療後3年間に心血管関連イベントを再発しています1。それだけに発症後の生活習慣の是正や薬による脂質などのリスク因子のコントロールといった二次予防が大切になります。
REFERENCE
- Ishihara M et al.Circ J 2017; 81: 958-965
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