~アムジェン財団の科学教育プログラム「アムジェン・スカラーズ2022」最終発表会でスティーブ・スギノが講演~
アムジェン財団は、優れた科学教育機会の提供を通じて次世代のイノベーターを育成することと、アムジェン・スタッフが暮らし働く社会の向上を目的として活動しています。
同財団の主要科学教育事業の一つであり大学学部生を対象に世界トップレベルの教育研究機関で研究体験を提供するサマープログラム「アムジェン・スカラーズ・プログラム(Amgen Scholars Program: ASP)」は、2006年に米国で始まりました。ASPの実施は今日までに、米国、欧州、アジア、オーストラリア、カナダの24機関に拡大しています。日本のプログラムは、2015年に東京大学および京都大学とのパートナーシップのもと、アジア初のASPとしてスタートしました。
去る8月1日、今夏のASPに参加した学生による研究発表会が、東京大学と京都大学にて開催されました。冒頭、両大学をオンラインでつなぎ、アムジェン株式会社代表取締役社長のスティーブ・スギノが講演を行い、ASP参加者の今後に期待を寄せました。
経験が人生に与える影響
スギノは開口一番、世界は今、多くの課題に直面しており、私たちは日々状況が変化するダイナミックな時代に生きていることを強調しました。そのような変革の中にいながらも、ASP参加者の未来は明るく、10年後や20年後に彼らがどのような分野に進んでいようとも、第一線で活躍していることを確信していると述べました。
「約30年前、私はカリフォルニア大学から東京の大学に留学していました。その間の経験や大切な人々との出会いが、私の人生を大きく変えました。私のアイデンティティ、信念、キャリアパスを方向付けたのです。みなさんが今後の人生を考える上で、このサマープログラムが同様に価値ある経験になったことを願っています」
続いて、スギノはアムジェンの歴史を振り返りました。「アムジェンは、今でこそ100カ国以上で約24,000人の従業員が働くグローバル・企業ですが、バイオテクノロジーの未来に希望を抱いたたった3人のスタッフから始まりました。アムジェンの『科学の力で重篤な疾患とたたかう患者を助けたい』というミッションは受け継がれ、創業から40年余りを経た今日、がんや循環器疾患、骨疾患、炎症性疾患、神経疾患などの患者さんやそのご家族が、より健やかに、より長く活動的な生活を送ることができるよう支援に努めています」
スギノはアムジェン財団が科学教育事業に注力する理由として、「科学への興味と情熱は、若いころから始まります。(地域における)科学イベントに参加することがきっかけになるかもしれません。学校では、先生の授業に触発され、自分の知らない世界を知ることができます。こうした情熱を育てる機会をつくるために、私たちが一助となって貢献したいと考えています」と説明しました。
経験を積み重ねて隠れている石を探そう
次にスギノは、京都にある龍安寺の方丈庭園(石庭)の写真を紹介しました。石庭には大小合わせて15個の石があり、どの位置から眺めても15個すべての石を一度に見ることはできず、隠れている石を見るためには自分が動かなければならないと言われていることに触れ、科学の探究は龍安寺の石庭によく似ていると例えました。
「時にみなさんは、あらゆることが既に発見されており、見えているものがすべてだと思うかもしれません。しかし、自分が少し動けば、隠れていた石が突然見えるようになります。科学も同じです。さまざまな体験を通じて視点を変えることが重要です。研究室の中だけでなく、研究室の外でも多くのことを経験してください。そして、隠れている石を常に探し続けてください」
最後にスギノは、プログラム参加者の今後の成長に願いを込めて講演を締めくくりました。「京都のタクシードライバーから教えてもらった話によると、15個すべての石を一度に見ることができる場所が1カ所だけあるとのこと。しかし、その場所はみなさん自身で探してください」
アムジェン財団は、2006年から今日までに全世界のASPに7,400万米ドルを拠出しています。約800の大学から4,800人を超える学生が同プログラムに参加し、プログラムを修了しています。
アムジェン財団について
アムジェン財団は、次世代の科学者や未来の問題解決に取り組む人々を、グローバル規模で支援しています。国内外のパートナーと連携し、国籍やその他のバックグラウンドに関わらず、学生に無料で最高水準の科学教育を提供しています。アムジェン財団はこれまでに、画期的なアプローチで社会に影響を与える非営利組織に3億7,500万米ドル以上を寄付しています。アムジェン財団は、ラボ・エクスチェンジ、アムジェン・スカラーズ(対象:大学学部生)、アムジェン・バイオテック・エクスペリエンス(対象:高校生物学教師)などの代表的なプログラムを通じて、未来の科学者に発見する喜びをもたらします。さらに詳しい情報については、www.AmgenFoundation.org
をご覧いただくか、ツイッターで @AmgenFoundation をフォローしてください。
関連リンク
・アムジェン公式Facebook投稿記事より
【アムジェン・スカラーズ・プログラム Vol.1】~科学者としてのみだけでなく人としても~
【アムジェン・スカラーズ・プログラム Vol.2】~研究室の世界を体験~