A biotechnology pioneer since 1980, Amgen has reached millions of patients around the world.
アムジェンは、患者さんが関心のある分野について学べるよう、多数のリソースを用意しております。
アムジェンは、私たちが掲げるミッションである「To serve patients –患者さんのために、今できるすべてを」の実現を目指して、ESG推進に取り組んでいます。アムジェンの日本法人のESGリーダーが、それぞれの活動について語りました。第2回は、「医療アクセス/ヘルス・エクイティ」に関する取り組みです。
医療アクセス/ヘルス・エクイティ責任者
医療政策・マーケットアクセス部 部長
安立 憲司
患者さんが適切なタイミングで、
適切な医療を受けられる環境を整える
――アムジェンのグローバル全体における、医療アクセス、ヘルス・エクイティの考え方について教えてください。
安立 アムジェンの医療用医薬品(以下、医薬品)は、重篤な疾患に直面している患者さんに変化をもたらす可能性を秘めています。アムジェンは40年以上にわたり、科学とイノベーションの推進を通じて、患者さんがより長く、より健康的な生活を送れるよう支援してきました。
しかし、いかに革新的な医薬品でも、それを必要とする患者さんに届けることができなければ意味がありません。質の高い医療への公平なアクセスを制限する障壁を取り除くこと、それがアムジェンの医療アクセス、ヘルス・エクイティが目指す方向性です。私たちは、より多くの人々が科学の恩恵を受けられる社会の実現を目指し、政府、患者団体、患者支援団体、その他のパートナーとの協力を通じて、患者さんを取り巻く課題の解決に取り組んでいます。
――具体的には、どのような支援が行われているのでしょうか?
安立 たとえば、アムジェンでは20カ国を超える低・中所得国で、2018年から2021年の3年間で1億4,700万ドル相当の治療薬を無償提供しています。またヘルス・エクイティを高める活動支援に1,170万ドルの資金を拠出してます。
一方、日本では、国民皆保険制度や高額療養費制度など優れた社会保障制度があるため、治療を受けることができないという意味での医療アクセスが大きな課題となることは、他の国と比べれば少ないかもしれません。しかし、効果的な治療薬があり、かつ治療を受ける環境は整っているものの、疾患に関する知識が不足していることによって、適切なタイミングで医療機関へ受診していないケースはまだまだたくさんあります。
頭痛を持っている患者さんの知識を高める
――患者さんの支援プログラムについては、日本でどのような活動をしていますか。
安立 たとえば、日本には片頭痛の疾患を抱える患者さんが約840万人いて、そのうち100万人は治療が必要だと推定されています1。しかし、専門医が限られる上、頭痛くらいでと受診をためらう患者さんも多くいます。そのため、私たちは、医療関係者はもちろん、患者団体や患者支援団体、政府、地方自治体などさまざまな組織と協力しながら、患者さんをより支援できるようなプログラムを開発し、提供していく必要があると考えています。
具体的には慢性頭痛患者さんの治療を受けやすい環境をつくるための取り組みの一つとして、オンライン診療の有用性を評価するプログラムを、オンライン診療を提供している企業と連携して実施しました。また日本で広い年齢層が利用するLINEを活用して、片頭痛に関する知識を高め、症状のコントロールを実現できるよう支援することを目的としたコンテンツを日本頭痛学会などと協力して開発し提供しています2,3。
様々なステークホルダーと共に取り組む
――他の領域で患者さんの支援をおこなっているプログラムはありますか。
安立 アムジェンでは先ほどお話した以外にも医療アクセスを改善するために多くの活動を行っています。
骨領域において、大阪府大阪市、千葉県佐倉市、北海道小樽市の3自治体と官民連携事業協定を締結し、骨粗しょう症の啓発事業に取り組んでいます。具体的には大阪府大阪市、千葉県佐倉市、北海道小樽市の3つの自治体と官民連携事業協定を締結し、事業を進めています4,5,6。
もう少し詳細をお話すると、自治体の持つ国民健康保険のデータや後期高齢者のデータに基づき、一度骨折を経験しているにも関わらず、骨粗しょう症の治療がなされていない方々に向けて、骨粗しょう症の疾患啓発と二次骨折予防のための受診を促すことにより、脆弱性骨折を防ぎ、健康寿命延伸につなげることをサポートする事業です。これらの事業の実施結果については、先日大阪市の結果が自治体のホームページに公開されました7。その他の自治体の結果も楽しみにしています。
また、がんの領域では、医薬品の倫理的無償供給プログラムを行いました。これはアンメット・メディカル・ニーズが高く治療選択肢が限られているがんなどの疾患の患者さんに、少しでも早く、新しく承認された医薬品を届けるプログラムです。
通常、医薬品は承認され、薬価収載される(公定価格が決まる)まで2カ月から最大3カ月かかり、それまで患者さんの手元に届けることができません。しかし、がんなどの治療選択肢が限られた深刻な疾患の患者さんにとっては、2カ月早く治療を開始できるかどうかはとても重要です。そのため、アムジェンでは、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度8」のもと、治験に参加した医療機関に限定して、新しく承認された医薬品を無償で患者さんにお届けしました。
アムジェンが一社でできることには限界があります。だからこそ、国や自治体、その他の関連する企業と強力なパートナーシップを組むことで、患者さんが適切なタイミングで適切な治療を受けられる環境作りにも取り組むことが重要だと確信しています。
社会全体の健康向上を目指して
――医療アクセス・ヘルスエクイティに取り組む意気込みをお聞かせください。
安立 今日、製薬企業の果たすべき役割は、医薬品の供給だけにとどまりません。従来の枠組みを超えたパートナーシップによって、患者さんが、より健康で長く活動的に暮らせる社会の実現に貢献していくことが当社の使命です。これは公衆衛生の観点からも、健康増進の観点からも的を射た取り組みであり、アムジェンがこの領域において挑戦を続けていることは、私自身の働くモチベーションの一つにもなっています。
アムジェンにおけるESG
アムジェンは、グローバル規模で活動するバイオテクノロジー企業として革新的な治療薬の研究開発・提供と、社会との信頼構築に取り組んでいます。アムジェンの環境・社会・ガバナンス(以下、ESG)フレームワークは、「Healthy People:人」「Healthy Society:社会」 「Healthy Planet:環境」 そして「A Healthy Amgen:アムジェンの組織」 という4つの戦略を軸としています。この枠組みは、相互に関連する課題に対して包括的にまた長期の企業戦略と一貫したアプローチで取り組むことを可能にします。当社が取り組むESGは、「To serve patients – 患者さんのために、今できるすべてを」というミッションのもと「企業倫理」「倫理的研究」「医療アクセス」「環境の持続可能性」「責任ある調達」「多様性・包摂性・一体感」「コミュニティーへの投資」の領域を網羅しています。
アムジェン株式会社について
アムジェン株式会社は、世界最大規模の独立バイオテクノロジー企業である米国アムジェン社の日本法人です。アムジェン株式会社では、循環器疾患、がん、骨疾患、炎症・免疫性疾患、神経疾患を始めとするアンメット・メディカル・ニーズが高い領域に焦点を絞り、現在約700人の従業員が、「To serve patients – 患者さんのために、今できるすべてを」というミッションのもと、臨床開発から販売までの活動を行っています。詳細については www.amgen.co.jp をご覧になるか、https://www.facebook.com/amgenjapan のフォローをお願い致します。
References