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2020年9月29日「世界ハートの日」

世界各国のアムジェン社員が「Don’t Miss A Beat(鼓動を止めるな!)」をテーマに心臓の健康のために私たちができることを考えました

世界心臓連合(WHF : World Heart Federation)は、2000年から心疾患を予防啓発する事を目的に、 毎年9月29日を「世界ハートの日」と定め、循環器疾患の予防啓発キャンペーンを展開しています。

心疾患に対する意識や関心を高めるため、アムジェンでは「Don’t Miss A Beat(鼓動を止めるな!)」をテーマに、世界各国の社員がオンラインでつながり、私たち自身が心臓の健康を維持するためにどのようなことを意識して活動しているか、また心疾患と闘っている患者さんや家族、そして医療関係者の方々をどのようにサポートできるかについて考えました。

心筋梗塞経験者の再発予防のためのウェブサイト
日本では、2020年8月10日(健康ハートの日)に、公益財団法人日本心臓財団とアムジェン株式会社が、共同事業として心疾患のひとつである心筋梗塞経験者の再発予防のためのウェブサイト「うまく向きあう、一生付きあう -心臓をいたわりながら暮らす-」を立ち上げました。このウェブサイトが、心疾患を経験した患者さんやご家族に、心臓の健康をより正しく理解するための情報源として活用していただけることを願っています。

循環器病をとりまく環境が大きく転換

心筋梗塞をはじめとする心疾患や脳血管疾患などの循環器病は、がんに次いで日本人の主な死因の第2位を占めており、さらに、発症後に要介護となるリスクは、認知症以上に高いことから1、高齢化が急速に進む現代の社会課題として、その解決に向けた取り組みが長年議論されてきました。

そのような中、2018年12月に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(以下、「循環器病対策基本法」)が成立し、翌2019年12月に施行されました。この法令は、循環器病の予防推進と適切な治療体制の拡充を進めることで、人々の健康寿命を延ばし、将来の医療・介護費の負担軽減を図ることを目的としています。また現在、より具体的な「循環器病対策推進基本計画」の策定が進められるなど、循環器病をとりまく環境はいま、大きな転換期を迎えています。

本ウェブサイトは、その一助となるべく、心筋梗塞患者さんやそのご家族に向けて、心筋梗塞の再発予防に関する情報をお届けします。

再発リスクに対する正しい理解と、生活習慣の改善、治療継続が予防につながります

前述の通り、心筋梗塞を含む循環器病は、死亡率・要介護率が高まっているにもかかわらず一般的に危機意識や予防の重要性に対する理解が乏しいため、それらを広く社会に周知していくことが必要です。

なかでも心筋梗塞は、心臓を動かす筋肉「心筋」の一部が壊死してしまう病気です。詰まった血管を治療して血液の流れを回復させることができても、壊死した心筋は元には戻りません。また、心筋梗塞を起こしたことがある人は、起こしたことがない人よりも、心筋梗塞を繰り返したり、心臓がだんだん悪くなり命を縮める「心不全」などを起こしたりするリスクが高いことが分かっています2。そのため、一度心筋梗塞を起こした人は、さらに注意して再発を予防することが大切です。

本ウェブサイトでは、心筋梗塞の再発リスクの高さや予防の重要性の周知を図るだけではなく、患者さんが医師やご家族らとともに前向きに取り組める具体的な予防策を提示することで、心筋梗塞に対する「意識」と「行動」、両方の変化を促していきたいと考えています。

できることから一つずつ。身近で前向きな行動指針でQOLの維持・向上へ

心筋梗塞の症状と治療に対する正しい理解をはじめ、心臓に負担をかけない食事の工夫や体を動かす目安、症状にまつわる素朴な疑問など、一度目の治療を終えて退院したあとの日常生活を健やかに過ごすためのポイントを紹介しています。

① PREVENTION/繰り返さないために
PREVENTION/繰り返さないために』では、心筋梗塞の再発リスクの高さや、再発の要因となる主なリスク因子について解説しています。患者さん自身はもちろん、ご家族や周囲の方にも、ともに病気と向きあう伴走者として正しい理解と知識を身につけていただきたいと考えています。

② FOOD/体をいたわる食事
FOOD/体をいたわる食事』では、自宅での調理や食事、外食時に実践できる「適量・適塩」「食材やメニューのよりよい選び方・食べ方」の工夫を紹介しています。具体的な行動やイメージしやすい適量の目安を記載することで、心臓に負担をかけない食生活の継続・習慣化をサポートします。

③ LIFESTYLE/日常生活の過ごし方と心がけ
LIFESTYLE/日常生活の過ごし方と心がけ』では、退院後、おろそかになりがちな運動療法(主に「心臓リハビリテーション」)や服薬の重要性について紹介しています。それぞれの意義を知ることで、医師の指導とご家族のサポートのもと、患者さんが前向きに再発リスクを低くする生活に取り組んでいただくことを呼びかけます。

④ Q&A/患者さんとご家族のためのQ&A
Q&A/患者さんとご家族のためのQ&A』では、病気や治療に関することから日常生活を送る上での素朴な疑問まで、患者さんとご家族の視点に立った質問と回答を提供しています。

循環器病対策に寄与する情報発信を強化

財団設立から50年、循環器領域に関する研究の助成、予防啓発、治療に関する必要な事業を行い、国民の皆様の健康増進と福祉の向上に寄与する活動を続けてきました。昨年12月に循環器領域の悲願であった「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」が施行されたことを受け、当財団においてもこれまで以上に、医師・患者さん・市民の皆様の架け橋となってさまざまな情報を発信していく予定です。
今回立ち上げた「うまく向きあう、一生付きあう -心臓をいたわりながら暮らす-」ウェブサイトを通して、超高齢社会の課題である循環器病対策の前進に寄与し、患者さんやご家族はもちろん、社会全体に心筋梗塞の再発予防の重要性が広く浸透することを願っています。

公益財団法人日本心臓財団について

1970年の創立以来、脳卒中や心臓病などの循環器病を克服するために研究の助成、予防啓発を行っている民間の公益法人です。近年はホームページによる正しい疾患啓発の情報発信や心臓病に関するメールでの相談、AEDと心肺蘇生法の普及などを行っています。
https://www.jhf.or.jp/

    REFERENCE:
  1. 厚生労働省 健康局 がん・疾病対策課「循環器病対策の現状について」
  2. The Japanese Coronary Artery Disease (JCAD) Study Investigators. Circ J 2006; 70:1256-1262.