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エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の『高まる二次予防の重要性:アジアにおける心血管疾患医療の現状・課題』がこのほど公表されました。アムジェンの協賛を受けて制作された本報告書は『The Cost of Silence: Cardiovascular Disease in Asia 』(2018)に続くシリーズ第2弾です。アジアの専門家15名に詳細な聞き取り調査を実施し、心血管疾患(cardiovascular disease = CVD)の二次予防に関するスコアカードを作成。CVDの二次予防が域内8カ国・地域(オーストラリア・中国・香港・日本・シンガポール・韓国・台湾・タイ)の医療体制にもたらす負担と、政策的対応について分析評価を行いました。10回にわたりサマリーを紹介します。
本報告書では、アジア太平洋地域8カ国・地域を対象に、CVDの再発予防に向けた政策的取り組みを検証しました。主要な論点は以下の通りです。
また、国レベルの戦略では特有の事情・優先課題を考慮に入れる必要がありますが、今回の調査で明らかとなった以下の点も重要と言えます。
国・地域によって状況は異なるものの、CVDは非常に大きい負担をもたらしています。CVDは全てのアジア諸国で二大死因の一つに数えられ、患者数も増加の一途を辿っています。アジアでは、若年層のCVD患者・高齢者層の合併症患者が同時に増加しており、医療体制にさらなる負担をもたらしています。
近年、CVDの一次予防(primary prevention)は進化を遂げつつあり、年齢調整罹患率にも減少の兆しが見られています。しかし急性心筋梗塞・脳卒中の再発率は依然として高く、その経済的・人的コストも大きいのが実状です。また、一度目の発症での生存率が向上している今、再発によって生じる負担はさらに増す可能性が高いと言えます。ただし、対応が急務となっているこうした現状に取り組むことが現実的であることを鑑みると、患者のケア体制・アウトカムを向上させる重要な機会と捉えることができます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、日常生活やビジネス、医療のあり方を根底から変えつつあります。この危機がCVD患者に大きな影響を与えていることは間違いありません。例えばCVDなどの基礎疾患を抱える患者は、COVID-19に感染しやすい傾向が見られます。またCVD患者のCOVID-19感染死亡率は10%程度と極めて高く(持病のない人では約1%)、COVID-19入院患者の20%は心筋障害を発症しています1。CVD患者が受ける影響は、高い合併症リスクだけではありません。パンデミックがもたらす負担により医療サービスが崩壊の危機に直面する中、十分な治療を受けられなくなる恐れも生じています。
フィジカル・ディスタンシングが普及し、感染回避のため医療サービスの利用を見合わせるなど、コロナ危機により人々の受診行動には大きな変化が生じています。香港で収集された早期データによると、往診時間帯に病院搬送される脳卒中患者は20%減少。搬送時間も通常時より平均1時間遅れる傾向が見られます2。脳卒中治療で、分単位の遅れが長期的アウトカムを大きく左右することを考えれば、これは深刻な事態と言えます。
例えばシンガポールでは、不急の外来診療・待機手術が延期され、心臓リハビリテーションも最大6カ月中断を余儀なくされています。オーストラリア・ニュージーランド心臓病協会が発表した合意声明は、患者を取り巻く環境の急速な変化を指摘しています3。現在見られる CVD治療体制の変化が、危機収束後も継続するかは不明です。しかし連携を通じた質の高いCVD予防ケア、そして患者の健康状態を最適な治療で維持する必要性が高まっていることは確かと言えます。
REFERENCE
エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の『高まる二次予防の重要性:アジアにおける心血管疾患医療の現状・課題』の全編はこちらからご覧ください。